いつから準備する?どんなリサーチする?ハンドメイド作家からブランドオーナーになるためのヒント
あなたはハンドメイドで生計を立てていたり、副業としてハンドメイド作品を売ったりしていますか?
「隙間時間でできるから」
「作るのが好きだから」
「だれかに喜んでほしいから!」
そうして始めたハンドメイド。作るだけじゃなくて意外とやることが多いんですよね。わたしも、会社を退職して起業するまでに、まずはハンドメイドからはじめました。
私の場合は「制作も販売も自分のペースでできるから!」というのが大きな理由でした。
なんでも自分でやらないといけないので大変でしたが、こだわりを詰め込むこともできて幸せな時間でもありますよね。自分のこだわりに共感してくれるファンがついてくると、ハンドメイド作家としてよりも「ブランドとして大きく成長させたいな」「このままハンドメイドで生計を立てていきたいな」と目標も大きくなっていきませんか?
「どうすればもっと売上を大きくできるんだろう?」
「ハンドメイド作家ではなくひとつのブランドとして表現していくために、何を知ればいいんだろう?」
「他の作家さんはどうしてるのかな?」
こうした疑問について答えがほしいなら、「リサーチ」がオススメです。
そこで「駆け出しハンドメイド作家」さんと「ブランドオーナー」のリサーチの違いについて捉え方を整理してみましょう。
- ハンドメイドでの成果が伸びてきたので、このまま事業として成長させたい
- 自分の作品は独自性が高いのでブランドとして大きくしたい
- ハンドメイドが好きなので、これ1本で生計を立てられるようになりたい
- リサーチが大事なのは知っているけれど、どうすればいいのか概要が知りたい
リサーチってなに?
リサーチは、調べて自分と比較分析し対策を練るための材料となります。ビジネスとして粒度が高い分析をするには深みがある材料が欲しいですよね。だからハンドメイドを始めたばかりの「作家さん」と、頭ひとつ抜けたい「ブランドオーナー」のリサーチ内容は全然変わってきます。
ではどんなところが違うのか、詳しく見ていきましょう。
ハンドメイド作家にとってのリサーチ
ハンドメイドを始めたばかりの頃は「これなら買ってもらえるかな」「これなら自分にもやっていけるかな」と、どちらかというと気持ちが自分に軸が向いています。オンラインショップはどこに作ろうかな、SNSも大事なのかな、対面販売や委託はどうしよう?いろんなことが手探り。
「自分が作るものは売れるのだろうか?」と不安と期待が入り混じった状態ですよね。それは当然のことで、誰もが通る道です。この時期は、自分の作品と向き合いながら、同時に売り方やお客さまの反応をしるための大切な時期でもあります。
このころによくあるリサーチは、売る場所や作品のインスピレーションが中心ではないでしょうか?
【売り場のリサーチ例】
- お手本にできそうなショップサイトを探す
- 写真が素敵な方の構図を真似して腕を磨きたい
- 委託できそうなショップを探す
- マルシェなどで売り場やアイテムの研究してみる
【アイテムのリサーチ例】
- 他の作家さんがどのくらいの価格で売っているのか知る
- 材料の仕入れ先を研究する
- 台紙や梱包について、安い資材を調べたり、こだわり方を研究する
- どんな商品が売れているのか雑誌などでチェックする
【発信のリサーチ例】
- 売れている人のアカウントをチェックする
- リールや投稿を真似てみる
生活で目に入るものは全てがリサーチですね。
これらのリサーチは、調べる=模倣ではありません。他の作家さんやショップから学びとりながら、自分なりのスタイルや方向性を見出していく大切な時間です。
例えば写真の撮り方ひとつとっても、ライティング(照明)、撮影小物の選び方やあしらい方、背景の作り方、構図、画角などなど学ぶべきことは山ほどあります。本を読んだり講座に参加したりするのも大事。こうして技術を高めていくことは、自分自身の見る目やセンスを高めることにもつながりますし、なにより後々ブランドイメージを確立する上でも重要になってきます。
売り場の選び方や作り方も同じです。すぐに正解が見つかるものじゃないので、とにかく場数をこなさなきゃいけない。周りの人がどうやっているかを研究し、取り入れて高めていくことが自分なりの正解を見つけるための近道です。
ハンドメイド作家からブランドオーナーになる転換期とは?
ハンドメイドを始めたばかりの時期は、1点でも多く作品を売りながら自分にあった販売場所・方法を掴むことが大事だと思うんです。一人でも多くのお客さまと接触して反応を知る。売上をお小遣いとして使わず、材料の質を上げたり自分の腕を磨いていけば徐々に価格も上げていけますね。
ここでのポイントは、量をこなすことです。多くの作品を作り、多くのお客様と接することで、自分の作品の強みや改善点が見えてきます。また、お客様の生の声を聞くことで、「市場のニーズ」も把握できるようになります。この経験は、後のブランド戦略を立てる上で貴重な財産となります。
徐々に価格を上げてブランドとしての成長の見込みを感じるころには、お客さまの層も変わっているでしょう。ここまでくれば、お客さまが望んでいることに具体的な仮説を立てたり、作品に落とし込んだりできるようになります。 つまり、自分軸を脱却してお客さま軸で作品を作って売れるようになるんですね。(自分軸ももちろん大事ですが、ここでは割愛します)
この「自分軸からお客さま軸」への転換点がひとつのターニングポイントです。自分の作品に対する自信が芽生え、同時にお客様のニーズにも目を向けられるようになる。「好きな物を作って売る」段階から、「価値を提供する」段階への成長を意味します。お客様の期待や要望を理解し、それに応える形で自分の作品を進化させていく。この相互作用が、ブランドの根っこになるんです。
ブランドオーナーにとってのリサーチとは?
競合を意識する
この頃には競合も明確になっているはず。競合と比べることでやっと自分の「弱み」と「強み」が明確になります。どんなことを比べるかというと・・・
- 競合と自分が使っているサービスの違い
- 競合と自分のショップの構成の違い
- 競合と自分の季節ごとの企画の違い
- 競合と自分の価格の違い
- 競合と自分の発信場所や内容・頻度の違い
- 競合と自分の割引サービスの違い
- 競合と自分のお客さまの声の違い
などなど、競合と自分のショップを徹底的に比較することで「自分の強み・弱み」「競合の強み・弱み」が見つかります。これを活用すると販促を計画的に企画できたり、ブランドの存在意義をアピールできたりするようになるんです。
こうした競合分析は、自分のポジショニングを明確にする上で欠かせません。ただし、ここで言う「競合」は敵対する相手ではありません。むしろ、市場全体の中で自分の立ち位置を知るための指標となる存在です。自分にしかできないこと、自分だからこそ提供できる価値を見出すことで、ブランドの特徴や独自性を発見できるのです。
お客さまのことを知る
「強み」って「自分が得意なこと」じゃないんですよ!お客さまが望んでいて、競合より叶えてあげられることが「強み」なんです。だから実は、「お客さまが何を望んでいるのか」という市場ニーズを知ることが欠かせません。
お客さまの声を知るには、こんな方法があります。
- お客さまの声でよく出てくる言葉を拾ってみる
- お客さまからのリクエストを集計してみる
- いただいたクレームをポジティブに変換する
- 対面販売で感想を聞く
- インタビューやアンケートを活用するリスト
こうして集まった貴重な声を分析して、また、競合比較も一緒に判断材料にすることで、「お客さまに望まれる作品」を作っていくことができますね。
作家からブランドオーナーへ。成長とともにゆっくりとリサーチできる範囲も深さも広がっていきます。始めたばかりの方と「ブランドを確立してバリバリやっていきたい」人に必要な情報は全く毛色が違うよ、ということも理解しやすいですね。
この記事ではリサーチの一例を挙げましたが、これをやるだけでも結構な時間と手間がかかります。中には「具体的にどうやるのよ!?」とハテナがいっぱい飛んでいる人もいるかもしれないです。
そのくらい、ブランディングは一朝一夕にはできません。日々の小さな積み重ねが、やがて大きな差となって現れてきます。
ブランドオーナーになるということはもう「自分の好きなものを売る」だけではないということ。お客さまに望まれるブランドになるために商品開発、顧客対応、マーケティング戦略など、あらゆる面でのブラッシュアップが必要です。そして、このプロセスに終わりはありません。お客さまのニーズは常に変化します。その変化に柔軟に対応しながら、自分のブランドの軸を守り、育てていく。それがブランドオーナーとしての醍醐味でもありますね。
「ハンドメイド作家」の殻を脱ぐべき理由
リサーチ方法を詳しく知ろう!と思い立って「ハンドメイド リサーチ」というキーワードで検索しても、「売り方」や「売りやすいカテゴリ」の調べ方などがヒットしてしまいます💦つまり・・・「ハンドメイド」というキーワードを使う限り、ブランディングにまつわる情報は永遠に出てこないわけですね😭
この現状は、ハンドメイド業界全体の課題を示しているとも言えます。多くの作家さんが「ハンドメイド」の枠内でのみ思考しがちですが、実際にブランドとして成長していくためには、その枠を超える必要があります。情報を探す・伝えるというネット世界では「ハンドメイド」は制作方法の一つに過ぎず、ブランド運営の本筋からは外れてしまうのです。
だから起業のきっかけがハンドメイドだとしても、頭ひとつ抜けて行く時には「ハンドメイド作家」という殻を脱いでしまいましょう💪
ハンドメイドは時に高い技術が必要で、ハンドメイドだからこそ作品に魂を吹き込むことができるのですが、それだけでは事業を成長させるには不十分です。ブランドオーナーとしての視点を持つことで、作品を「価値」として捉えていくことが求められます。
例えば、単に「手作りのアクセサリー」を売るのではなく、「自然との調和を大切にする人々のためのエシカルジュエリーブランド」として展開する。他にも「手編みのニット小物」から「北欧の暮らしに憧れる人のためのライフスタイルブランド」へと進化させる。このように、ブランドオーナーは作品を超えた価値提案ができるのです。
ブランドオーナーとしてリサーチを深めたいと思ったら
あなたのブランドの未来は、まさにあなたの手の中にあります。その可能性を最大限に引き出すために、今日からできることから始めてみませんか?
この記事でご紹介した以外にも、ブランディングに必要なリサーチには商材に合わせて種類もいろいろ。そして手順とコツがあります。 ハンドメイド作家からブランドオーナーになりたい! ショップの売上を上げていきたい! とお考えなら、ぜひブランディングサポートをご検討ください。
\ 6ヶ月でブランドが生まれ変わる /
6ヶ月間のサポートプランは社会にとってどんな価値を提供していくかという「ビジョン」を見つけ、実現するための道標になります。また自分だけでは気づかなかった可能性や、見落としていた課題の発見にもつながります。一歩一歩進んでいくことで、あなただけの唯一無二のブランドを築き上げることができます。