女性起業家にとって「貢献」はキラキラワードなのか?

「貢献って、女性起業家のキラキラワードだよね」
そんな投稿を見かけたんですけど、あなたはどう思いますか?
正直、私にとっては真逆のイメージ。むしろ、貢献ってめちゃくちゃ泥くさい言葉だと思ってる。
そんなふうに感じるようになったのは、会社員時代のある経験がきっかけでした。
インハウスデザイナーが考えるべきは、誰の得なのか
大手メーカーでインハウスクリエイターをしていたころの話です。
BtoB商品が主力の会社で、営業員はとにかく“バイヤーに気に入られること”が最優先。
彼らはバイヤーに売れることが大事だけど、仮に特定の「1品」が決まらなくても「商品数が多い」から他の商品で乗り切れる側面もあって。(当時、取り扱いアイテム数が1万5000点以上あったんです…)
でも、私たち本社社員が向き合っていたのは、
バイヤーの“さらにその先”にいるエンドユーザー。
ひとつの商品をつくるときに
「誰の、どんな悩みに応えるものなのか」
っていう設計を、毎回ゼロから考えてた。
しかも、販促を担当する私たちは、
営業・バイヤー・エンドユーザーの“三重ターゲット”を全部見ながら企画を考えないといけない。
営業さんから「このPOP作って〜」と依頼がきても、
中身はただの商品特徴の羅列、みたいなことも多くて。
「いや、それ誰に響くやつ…?」
と突っ込みながら、やんわりベネフィットに変換していく日々。
実績のある営業さんほど自分のやり方に自信を持ってるから、こっちがどんなに説明しても最初はなかなか聞いてもらえないんですよね。「末端のお客さまに買って欲しい」という共通ゴールのために一緒に頑張りたいのに、まずは営業員さんを攻略しなければいけないのがむなしくて一番しんどかったです。
転機は「貢献」とともに

そんな時に社長が社内に投げかけてくれた言葉が、ずっと残ってるんです。
「この会社は、誰にどう貢献するために存在しているのか」
「この商品は、誰のどんな悩みに貢献するために生まれたのか」
この“貢献”という視点が、少しずつ社内に浸透していったとき、
ちょっとずつ空気が変わっていったのを感じました。
経理や人事の人たちまで、
「この仕事って、何に貢献してるんだろう」って自然に考えるようになって。
それが結果的にチーム全体のモチベーションにもつながっていったんですよね。
「なんのために」だけだと抽象的すぎて、仕事の意義を想像しにくかった人たちでも
「貢献」と言い換えただけでスッと腹落ちする、不思議な言葉。
そんな経験があるからこそ、
私にとって「貢献」は、キラキラした理想論じゃない。
人の思惑が入り交じる中で、
ぶつかりながら調整して、ようやく意味が通じていく——
そんな、リアルな現場の言葉なんです。
でも、その“泥くささ”の中に、本当の価値があるとも思っていて。
実際、営業さんたちから「資料をあなたにお願いしたい」と指名してもらえるようになったり、
私が作った販促ツールが海外で某日系大手メーカーでそっくりパクられたり。
退職時に「もっとお願いしたかった」と言ってもらえたとき、
あぁ、やってきたことは間違ってなかったなと、静かに誇らしかったです。
「貢献」が軸になるビジネス人生

だから今、ブランディングのサポートをする時にも、私は必ず聞きます。
「誰に、どんな貢献をしたいと思ってる?」
理想とか理念も大事だけど、
「貢献」という軸があるだけで、自分の言葉で語れるようになる人がすごく多い。
キラキラ起業には興味ないけど、
ちゃんと意味のあることをしたい。
でも、それがまだうまく言葉にできない。
——そんなふうに感じている方へ。
一緒に、その軸から見つけていきましょう。
よかったら、相談会でお話ししましょうね。