世界観は見た目だけじゃない！？映えブランディングへの誤解を解説してみた

ブランディングと「世界観」は切っても切れない関係です。
とくに女性起業家なら、さわやかなプロフィール写真を撮ったりおしゃれなSNS投稿をしたりと「世界観」を意識するシーンが多いので、より想像しやすいのではないでしょうか。

このように「世界観」というと「目に見える視覚的なアピール」のことを想像しがちです。

冒頭にあげた写真やSNS投稿の他にも、ロゴやパッケージ、色やフォントの選び方・・・
属人的なところで言えば、身に着ける服装やアクセサリー、Zoomの背景なんかも含まれそうですね。

見た目で印象をコントロールする。これも一つのブランディングではあります。
でも本来の「世界観」とは、「見栄え」や「かっこよさ」を指すだけものではないんです。

ではなんなのかというと・・・

世界観とは、そのブランドの価値観や理念、ストーリー性を具現化したもの。

ちょっと難しいですが・・・

世界観とは、ブランドが伝えたいメッセージを全ての場面で一貫して伝えていくための表現なんです。

世界観への誤解が生み出す困った影響

「世界観」を見栄えだけのものだと捉えてしまうと、こんな困ったことが起きてしまいます。

イメージに合わないロゴを作ってしまう

「ロゴがあれば売れるようになるのかな」
「起業するなら、ロゴがあるとかっこいい！」
と、トレンドを追ったロゴを作ってしまうケースがあります。

でも、トレンドを追うということは、似たようなロゴがたくさん存在するということ。差別化もできず、サービス内容も反映できないため、逆にお客さまに混乱を与えてしまいます。

高級ブランドのパッケージの雰囲気を真似てしまう

今よりたくさん売れるようになりたい、単価を上げたい
と高級ブランドのような豪華なパッケージデザインを意識してしまうと、実際の商品の質やブランドストーリーが伝わらないものとなってしまいます。
有名すぎるブランドを真似ると、パクったとすぐにバレてしまいます。
結果的にお客さまの期待を裏切ることとなり、ブランドの評判が悪くなることだって考えられます。

装飾の美しさとサービスの中身が一致しない

これはSNSの投稿、イベント会場の内容、ショーケースのデコレーション、何にでも言えることですが、その場所だけが綺麗でも、その後の関係性の中で世界観が維持できないと、お客さまの期待を裏切ることになってしまいます。「こんなはずじゃなかった」とリピートにつながりにくくなってしまいます。

見た目だけに振り回されると、伝えたい印象がお客さまには届かない結果になるということですね。

世界観を構成しているものは？

世界観は見た目だけじゃない。なら、何で構成されているのでしょうか？

世界観は視覚以外にも、音も匂いも手触りも味も全ての五感に関わってきます。
そして事業とお客さまが接する全ての場面での「体験」も世界観の一部。

つまり、どういうこと？
図にするとこんな感じです。

例えばスタッフの接客態度、メールの文面、服装、身振り、
ウェブサイトの処理スピード、フォーム入力画面の使いやすさ、

本当に、「こんなところまで！？」という隅々まで世界観で表現することで、ブランドの価値を高めていくことができるんです。

例えばディズニーのどの施設でも、キャストは絶対に「いらっしゃいませ」と言いません。「いらっしゃいませ」ではゲストと会話が続かないから。
中でも私がキャストをしていたディズニーストアでは「こんにちは、ようこそ！」とお声がけするよう教育をうけました。ホームパーティに来てくれたゲストをおもてなしする心配りなのだそうです。これも世界観の構成要素の一つです。

まとめ

「綺麗なものを作ること」が世界観の全てではありません。ブランドの世界観は、ブランドの価値観、ストーリー、行動を通じてお客さまと深い関係を築くための全体的な戦略です。

もしも

「世界観は見栄えでしょ？」
「おしゃれなデザインで発信することでしょ」

と、今まで頑張って綺麗なSNS投稿をしていたとしても・・・

大丈夫。それ自体は無駄にはなりません。そして今からでも修正できます。

自分が伝えたいメッセージを、自分ならではの世界観で伝えることで

お客さまのファン化もグッと進むはずです。