女性起業家には「セルフブランディング」よりもっと深い○○ブランディングを
ひと昔前より「セルフブランディング」という言葉が広く浸透してきました。
「セルフ」とついているから、「ひとり起業」に向いているのかな〜と思いますよね。
本屋さんでも、女性向けのビジネス書や自己啓発本に混ざって並んでいることもしばしば。
でも・・・やってみると、こんな悩みが出てきた方も多いと思います。
- 自分の棚卸しばかりやってもビジネスの方向性が明確にならないのはなぜ?
- 自分にはスキルが足りないと感じて、もっと磨かなければと焦った
- 棚卸しできるだけのスキルがないから、資格の取得を頑張りたくなった
セルフブランディングで自分の内面ばかりを見すぎた結果、「なんだか軸が整わないな〜」と悩んだり、「何をすれば売れるようになるのか?」と迷走してしまい、
- 自分の好きなことを詰め込んで本命商品を作ってしまおう!
- いまある本命商品のクオリティをもっとあげよう!
と自分軸で行動することで、ますます成果がでない悪循環に陥ってしまうのです。
何が抜けているか、わかりますか?
そう、「お客さま視点」がないから、自分軸で動いてしまうんです。
主婦のひとり起業は、もはや趣味じゃない。ちゃんとしたビジネスですから、ブランディングは欠かせない。
でもそれが「セルフブランディング」では効果を感じられない、その理由を探ります。
セルフブランディングするとビジネスに活かせるのか?
そもそもセルフブランディングってなんでしょうか?
自分自身を商品やブランドとみなし、自己表現やアピールを通じて自己の価値を高めるマーケティング活動
主にフリーランスや個人事業主の方が行う戦略
・・・とのことです。
いろんなサイトを覗くと、だいたい、
- 自分のことを棚卸しして分析
- 自分がどんな商品を売りたいのかからターゲットを決める
- 肩書きやプロフィールを作る
という流れを紹介されていることが多いようです。
自分ひとりで完結できちゃうような内容ですね。
だから手軽で受け入れられやすいのかもしれないですが・・・
これではビジネスには使えないんです。
他にも、セルフブランディングと聞くと
「セミナーなどで顔出ししても舐められないファッションや振る舞いを身につけること」
「ロゴやSNS投稿テンプレートを整えること」
といった「見栄え」や「世界観」をイメージされる方も多いかと思います。
また、事業とは関係なく、自分を棚卸しして内面を深く知ることにもセルフブランディングというキーワードを使うこともありますね。
たしかに主婦がひとり起業しようとすると、自分自身の深掘りが必須ではあります。
それがブランディングの準備だったりしますよ、だからといって、内面だけ観察したらいいわけではないんですよ。
内面重視の自分軸ではビジネスができない
ひとり起業のブランディングというと、自分のスキルや経験などを「棚卸し」することが推奨されます。
- 自分にはどんなスキルがあるかな〜
- どんなビジネスがしたいかな〜
- どんな商品を作りたいかな〜
こんな内容を自分自身に問うて書き出してみても、内面にしか意識が向いていない願望は単なる妄想でしかありません。
すこし詳しくお話すると
「自分ができる・やりたい」ことから商品を作ることを「プロダクトアウト」と言います。
お客さまが誰なのか、どんなニーズや悩みがあるのかを意識していないプロダクトアウトでは、永久に売れません。
商品が飽和している現代では、プロダクトアウトで売れるのは、よほど資本を投資できて、社会に新しいニーズを湧き起こすことができる企業です。iPhoneとかね。
資本力も影響力もないひとり起業の場合は、お客さまのニーズから商品を生み出すことがおすすめです。これを「マーケットイン」といいます。
話を戻して、セルフブランディングで自分がやりたいこと・できることを「棚卸し」するだけだと、「プロダクトアウト」になってしまうんです。
棚卸しはすごく大事なんですよ。でも、自分だけに意識が向いた棚卸しをしてしまうから、うまくいかないんです。
- 自分の棚卸しばかりやってもビジネスの方向性が明確にならなかった
- 自分にはスキルが足りないと感じて、もっと磨かなければと焦った
- 棚卸しできるだけのスキルがないから、資格の取得を頑張りたくなった
と迷走してしまうんですね。
趣味を脱却して、ちゃんとしたビジネスに昇華するのなら、作りたいもの・売りたいものといった内側に向かった感覚ではなく、買ってくれるお客さまを主体に考えないとね。
ビジネスは買ってくれるお客さまがいてこそですから、「リアルなお客さま」を知らなければブランディングができないし、「マーケットイン」で売れる商品を検討することすらできないんです。
だから、自分のこともお客さまのことも知ることで初めてブランディングに着手できるようになります。
お客さまを知るためにできること
お客さまを知るためには、接触するしかないんです。
つまり、
自分には何ができてどんなお客さまと活動したいのか は
実際に販売活動してみて初めて理解できるということ。
だからなんでもいいので「売る体験」をしておくことが大事。
もしかしたら何を売ったらいいのか?商品がまだないよ、という方もいるかもしれません。
そんなときには
- minneのようなハンドメイドプラットフォームに出品
- ココナラで腕試し
- ストックフォトサービスに登録
- メルカリに出品
- ブログでアフィリエイト
のように、今できる範囲のことでいいんです。
自分のスキルや興味の延長にあればなんでもできるはず。
私は、本業のデザイナーとして本格的にお仕事を受けるようになるまでに
その時点で持っていたスキルを活かして
- ストックフォト3社
- minneで文房具
- 雑貨の委託販売
- スポットでナレーション
など販売してみました。
その結果
- なぜ売れるのか
- 自分の行動に対するお客さまのリアクション
- どんな特性のお客さまならお付き合いしやすいか
- どんなシステムなら販売しやすいか
- 自分にフィットするジャンルは何か
- お客さまは何を望んでいるか
などなど、本当にたくさんの「生の情報」を得ることができました。
そしてその中のいくつかは柱として育ちましたし、写真+デザインのようにスキル同士を組み合わせてクライアントさまへサービス提供もできています。
やりたいことは、やってみないとわからない
軸を整えたら売れるようになる、というよりも、
軸を整えるために自分とお客さまを知る
だからブランディングまで持っていけるんですね。
そのための方法の一つとして
「商品を売ることでお客さまから対価をいただく経験」を重ねることが大事なんです。
この場合の「売る」はあくまでも自分のビジネスの方針を知るリサーチみたいなもの。
売ることでマーケティングを実感できる。
人を相手に何かで対価を得ることで、
- ジャンル、商品、売り方、プラットフォーム
- お客さまの属性やニーズ
- 自分が動ける時間帯や解決しなければいけない問題
などなど自分ならではの条件を知ることができます。
そこを軸足に本命商品を作ってもいいし、
後で「やっぱり違う」と切り替えてもいい。
趣味を仕事にしようとしたけれど、やっぱり本業で独立し直す人もいるし
スキルを発展させて新規事業を作り上げる人もいる。
やりたいことは、やってみないとわからない。
ブランディングの前に欠かせないこと
ひとり起業の場合は、もしも商品ジャンルを切り替えたとしても
自分が楽しいと思えることじゃないと続かないから
これまでの経験やスキル、「スキ」だという感情など
自分のの価値観が全面的に反映されるんですよね。
だからこそ、「軸」が整っていると進みやすくなります。
かといって軸を先に整えようとすると
- 自分の棚卸しばかりやってしまう
- スキルをもっと磨こうと頑張ってしまう
- 資格の取得を頑張ってしまう
- いきなり本命商品を作ってしまう
- 本命商品の見直しばかりしてしまう
と、無駄な時間を過ごしてしまうことになりかねません。
それよりも、軸を整えるために自分とお客さまを知ることが近道ですね。